子のいる生活 

旅するアート食人

優しい虐待 幡野広志さんの作品展に行ってみた

写真家で多発性骨髄腫を患ってらっしゃる幡野広志さんの作品展に行ってきました。

https://www.php.co.jp/news/2018/11/hatanohiroshi.php

ソニーイメージングギャラリーの狭い空間に、幡野さんがご自身のお子さんを撮った写真が飾られていて。いくつかの作品の下にはノートの切れ端みたいなのに書かれた幡野さんのコメントがありました。"SNS OK"も切れ端メモみたいなのに書いて貼られていました。

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もちろん写真家さんなのでクオリティは素人とは別格なのだけど、余命を告げられている人だと思ってみてしまうからなのか途中からお子さんへの愛の溢れっぷりを感じて泣けてしまいました。

 

廊下には、飾りきれなかった写真がスライドで流されていて、見たかったけど見れなかった。

 

お子さんのこと、ずっと撮り続けたいだろうなぁと。お父さんがいなくなって、一緒に過ごした日々があったことが記憶にもなくなってしまったとして。物心ついてこれらの作品をみたときにどう感じるのかな?とか。本当に余計なお世話なんだけど、考えてしまった。

 

帰り道、少し前に話題になっていて気になっていたこの本を買って読みました。

ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

 

お子さんが生まれる前にやっていたこと、生まれてからされていること、もしかしたらもうこの世にいないかもしれないけどこういう時がきたらこうしたいんだということ。

親としてこう接したい、こういう子に育って欲しいという思いが綴られていました。

中でも印象に残ったのが「優しい虐待」のこと。幡野さん、お子さんに優しい子になって欲しいという思いから「優」と名付けたらしいんだけど、優しくはなって欲しいが「優しい虐待」はしてはいけない、と。

優しい虐待は世の中に本当に溢れていると思う。特にガン患者となってからは幡野さんもたくさん優しい虐待を受けたらしい。詳しく本の中で語られています。

急な平日休みに近くいたから寄った写真展からの読書。有意義な休日となりました。